恋するリスク
(なんて・・・佐藤くんみたいなタイプは、

彼女がいたら他の女の人とごはん食べに来るとか・・・

誤解されるようなことは絶対しないか。)


・・・西村先生じゃあるまいし。


そう、ひとりで勝手に納得する。

「2年くらい、いないです。」

モテそうなのに、結構長い。

「そうなんだ・・・。でも、作ろうと思えば、すぐできるでしょう。

うちの病棟の若い子たちも、佐藤くんのファン多いんだよ。」

後輩たちの、アイドルでも見るような、熱い視線を思い出す。

「そうなんですか?・・・それはまあ、うれしいですけど・・・。

どっちかっていうと、オレは、年上の人の方が好きです。」

淡々と語る姿は、なぜか妙に真剣で。

「え!?そうなの?意外。

もしかして・・・お姉さんに甘えたいタイプ?」

からかうように顔を覗き込むと、一瞬私を見た佐藤くんが、視線をはずしてぼそっと呟く。

「・・・じゃなくて。

お姉さんに、甘えてもらいたいタイプです。」

「ふうん・・・。そうなんだ。」

わかるようなわからないような気がして、私はあいまいに相槌をうつ。

「藤崎さんみたいなタイプだと・・・完璧です。」

「え?」

瞬間、私の身体が固まった。


(それは・・・どういう意味!?)


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