恋するリスク
「とにかく。オレはまだおまえが好きなんだから、おまえもオレのことを好きでいろ。」

「!?!?!?」

理解不能の言葉を残し、西村先生はナースステーションを去って行く。

全く・・・全く意味が、わからない。


(もう、なんなのよ・・・。)


本当に。

なんて自己中心的なオレ様男なんだろう。

でも、そんな彼が好きだったのも事実で。

もういやだ!という気持ちとともに、「好きだ」と言われたことに心が揺れた自分も、否定はできない。

腕をつかまれたとき。

好きだと見つめられたとき。

あれは確かに、私が、彼を好きだった時の瞳だった。

彼の感触がよみがえる。

切なくて。

認めたくなくて。

私は気持ちをかき乱された。
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