恋するリスク
胸が苦しい。

今は隣に相沢先生がいて。

私のことなど、まるで気にも留めてなくて。

以前と同じ状況なのに、私の隣には、彼がいない。


(そんなことは、わかってるけど・・・。)


胸の痛みと、アルコールのせいで、意識はどんどん鈍っていく。

朦朧として目の前が暗くなりかけた時、師長にもたれていない反対側の腕が、急にぐいっと持ち上げられた。

「オレが、送っていきますよ。」


(え・・・?)


声の方を振り向くと、私の左腕を抱えようとする佐藤くんの横顔が目に入る。

「・・・!」

驚いて、「大丈夫」と言おうとするのに、頭も口もうまく回らない。

「佐藤くん、藤崎さんの家知ってるの?」

「・・・はい。かなり近所なので、知ってるだけですけど。」


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