恋するリスク
信号で車が停まる。

大した振動ではないのに、私の身体はカクン、と前後に揺れた。

次の瞬間、佐藤くんは私の肩を自分の方へと抱き寄せる。


(えっ・・・!?)


感覚の全てが、正気に戻った気がした。

そのまま、自分の肩にもたれさせるように、佐藤くんの腕は私の身体を包み込む。

クラクラする頭と、ドキドキする胸と。

現実だってわかっているのに、夢を見ているような不思議な感覚。


(隣にいるのは、佐藤くんだよね・・・?)


ドキドキと、心臓の鼓動が早くなる。

それでも、佐藤くんの肩はあたたかくて、安心して。

アルコールの余韻も手伝って、まぶたが重くなっていく。

私が完全に目を閉じると、髪に、やわらかなものが触れた気がした。




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