恋するリスク
「これからメシ食いに行こーよ。

夜勤明けで、藤崎さんも今日は休みだろ。」

「・・・イヤです。」

「なんで?」

「眠いし、西村先生、失礼だし。」

「・・・じゃあ、やさしくしてあげるから。」

低く、甘い声が耳元で響く。

不覚にも、私は胸を震わせた。

「裏門のところで待ってるから。」

「えっ!あ、あの・・・!」

その場で断り切れなかった私は、連絡先を知らない西村先生をそのまま放置するわけにもいかず、着替えをすませると、言われた通りに指定の場所へと出向いて行った。

裏門を出ると、一際目立つ赤い外車が目についた。


(絶対、これだ・・・。)


案の定、運転席の窓が下りると、左手を挙げて微笑む西村先生の姿が見えた。




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