恋するリスク
仕事を終え、穂乃香と二人でナースステーションを後にした。

「今日は疲れたね。」

「ね。なんで今日に限ってあんなに検査多いんだろ。」

話しながら廊下を歩いていると、医局の入り口で、中に向かって挨拶をしている佐藤くんの姿を見つけてしまった。


(!!!)


「えっ!?ちょっと、真緒・・・!」

私はダッシュで佐藤くんの後ろを通りすぎ、その先にある休憩室へと駆け込んだ。


(びっくりした・・・!)


ソファに座り、私は呼吸を整える。

休憩室にきちんとした扉はなく、カーテンで中が見えないようになっているだけ。

外の音や声は丸聞こえだ。

「もう、真緒!・・・って、あ、佐藤くん!」

穂乃香は私を追いかける途中で、佐藤くんの存在に気づいたらしい。

「・・・お疲れ様です。仕事、終わりですか?」

「うん。佐藤くんは・・・まだっぽいね。」

「そうですね。これから会社に戻るので。」

「そっか。お疲れ様。」

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