俺だけみとけ!
すると明里の顔が見るみる間に赤くなってく…―
だいぶ時間は掛かったけど、やっと明里が俺に振り向いてくれたんだ。
一時期は諦めかけた恋だったが、諦めないで良かった。
『バーカ…
遅すぎんだよ』
「もう!」
ベッドの背にもたれかかってる状態の俺に抱きつく明里…―
髪からシャンプーのいい香りがする…
俺は明里の体に手を回して抱き寄せた。
この感触、ずっと待ってた…
『やっと泣いてない明里を抱きしめられた』
「ひぃに泣きついてばっかだったしね…」
『でも今は明里を遠慮なく抱きしめられる』
明里に彼氏がいたときは泣きついてきても、ぎこちなく抱きしめてしまった。
でも今は違うんだ。
こんなにも明里を傍に感じられるんだ。
《キーンコーンカーンコーン…》
このチャイム、完全下校の予鈴。
『帰るか?』
「うん!」