俺だけみとけ!
ありがとう
―次の日―
《ピンポーン…》
インターホンが鳴り、母さんがモニターを覗く…
「あら、明里ちゃんだ!
緋色、早く支度して行きなさいよ?」
『もうあいつ来てんのかよ!』
俺はまだぼさぼさの頭で玄関のドアを開けた――
そこには寒そうにポケットに手を入れて立っている明里がいた。
『明里、まだ7時40分だぞ?』
「いーの!
早くひぃに会いたかったんだもん…」
『まだ俺準備出来てないし、上がってよ?』
いつもは8時10分ぐらいに家を出るからな。
早く会いたいって思ってくれてたってだけで嬉しい。
明里はいつも跳ねてる髪を今日はアイロンでもしたのだろうか?
珍しくストレートだ。
「やった!お邪魔しまーす♪」