俺だけみとけ!
前を歩いていたアイツらの横を通り過ぎるだけど思いきや、明里はアイツの前で立ち止まった…――
「和哉先輩、お幸せそうで何よりです。
ですが私達の方が幸せなんで!」
明里は彼女の方を一切見ずにそう言った。
正直根性がすごい。
『驚いたな。
もう俺の代わりを見つけるなんてな』
「はぁ?
私はもうひぃしか見てないんで」
和哉先輩は明里の態度に驚き、ギッと睨んだ。
『だ、そうですよ。
もう未練なんて一切明里にはないみたいなので。
それじゃ、失礼しました』
俺は明里の手を引いて歩き出した。