俺だけみとけ!
俺は明里の前にしゃがんだ。
やべ…
超ベタな行動じゃんかよ!!
「いいよ、大丈夫!」
『もう早くしろって…
そうしないと時間無くなんぞ』
すると明里は黙って乗ってくれた。
ゆっくり立ち上がって歩き出す…
『明里、太った?』
「はっ!?ちょ、やっぱり自分で歩く!」
『だーめ!
女の子はちょっと重たい方が可愛いし…』
軽い子だとちゃんと食べているのか心配する。
だからちょっと重たい方がいい。
「ひぃの背中、大きいね」
『えっ?』
「大きくなったなって…
私達ずっと近くにいたから逆に気づかなかったのかもね」
明里は俺の背中に語りかけるようにつぷやいた…
ずっと近くにいたから…か。
俺にとっては近いようで遠かった。
明里がすぐそばにいても、心はすごく遠かった。