俺だけみとけ!
距離
俺とあいつが出会ってもう17年が経とうとしていた。
家が斜め向かいで誕生日も近くて、ガキの頃からずっと一緒だった。
「ひぃ!急がないと遅刻しちゃうよ?」
そう、いつも緋色ではなく“ひぃ"と俺を呼ぶ。
ショートヘアにクセっ毛…
目はぱっちり二重で背が小さい。
『走るっきゃないか』
いたずらにチラッと歯を見せ笑って、思いっきり走った。
「ちょっと、ひぃ!」
それでも明里はすぐ追いつく。
バスケ部のキャプテンで、小さい頃から足が速い。
これが俺の幼なじみ
春崎 明里だ。