俺だけみとけ!
「ほら、よく言うじゃん?
奇数月は危ないって」
『そんなの…』
「私だって辛いよ!でも…」
明里の言葉より先に、気づいたら勝手に明里を抱き寄せていた…
『目、腫らして泣きまくってる姿なんて
黙って見てられっかよ!』
「ひぃ…」
俺の胸元で泣きわめく明里。
こんなにも失恋は辛いもんなんだな。
なかなかこういうの女はすぐには立ち上がれない。
自分がダメなんだったんだって、自分を見失う人も少なくはないと聴く。
『俺にしとけよ…』
小さな小さな声で呟くように言った言葉は、簡単に明里の泣き声で消された。