俺だけみとけ!
「どうして、叶恵さんなんですか?」
『叶恵とは長い付き合いで、ずっと傍に居てくれたからかな』
そんなの私だって……って言えるのかな?
学校では昼休みとたまにの帰りしか一緒にいられなかった。
多分、2人は毎時間の休み時間を一緒に居たんだ。
『そういう事だから』
和哉先輩はゆっくり屋上を去っていこうとした。
やだ。やだよ!
「先輩!」
『ごめん』
結局、振り向いてくれなかった。
悲しいけど、悔しいよ。
なら、今度は私が頑張るって決めた。
だから
「私、先輩がいい」
そう決めたから……
ごめんね、ひぃ…
『俺だけみとけ!って言ってんだよ』
「えっ」
その言葉で我に返った…
ありがとうね……ひぃ。
もうちょっとだけこうさせて?
―明里side end―