俺だけみとけ!



なんだかんだで文化祭1日目が終了し、今は明里と久しぶりに下校中…――



「なんか、久しぶりだね!
ひぃと二人でこの道歩くの」



この道は左右に桜の木が何本もある道。


春になるとすげー綺麗なんだ☆


地面は桜の花びらで一面が埋まり、歩くのが嫌になる。


けどそれはそれで綺麗なサクラ色のカーペットみたいに道が出来るんだ。


それも今じゃ緑の葉。


春はまだまだ遠い…―




『だな』




少し俺より先に歩く明里が足を止めて振り返った。


ひらりとまわるスカート…


薄紫のチェック柄で明里によく似合う。




「今日はなんかごめんね?」


『は?』


「色々と慰めてもらったじゃん…」




照れくさそうに俯く明里の頬が、この真っ赤な夕焼けのせいか少し赤かった。




『ばーか!
気にすんなって!』




そう笑い飛ばした。



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