俺だけみとけ!
―愛菜 side―
高1の夏休み中、私は部活の先輩に恋をしてしまった…―
先輩は背が高く、髪がサラサラして、綺麗な二重まぶたに前髪が少しかかっている…
橘 緋色先輩だ。
きっかけは苦戦していたコードを教えてもらった時だった。
指が触れてドキッとして、気づけば私の目は先輩を追っていた。
今はなんてベタな恋なのよ!!って思う。
けど、ギターの弦を押さえる先輩の指が細くて綺麗で、骨張った手につい見入ってしまう。
『ここはこうやるといいよ?』
「あっ、はい!ありがとうございます」
そうするといつも目を細めて笑う先輩がいるんだ。
恋なんて何年ぶりだろうか…?
でも、恋してしまったからには一生懸命頑張る!
先輩に振り向いてもらえるように…―
―愛菜 side end―