俺だけみとけ！

良かった…、ここがよく人が通る道じゃなくて。


人前で泣かせたくないし、明里の泣き顔を誰かに見られるなんてもっと嫌だ。




「ひぃ……」


『泣けよ…、俺がずっと側に居てやっからよ』




明里の頭を優しく数回撫でると、ホッとしたのか震えが止まった。


こんな小さな体で、たくさん悩みを抱えてるんだな…


すぐ一人で抱え込む明里は、いつもいつも泣いて最後に俺のところに来て相談された。


いったい何度明里の泣き顔を見てきただろう…


明里の鳴き声が俺の胸の中に響く…


心臓がドクドク鳴って、もっと近くに感じたくなって明里を強く抱きしめた。


何も言わず明里もギュッと俺を抱きしめた…