俺だけみとけ!
恋する気持ち
『あぁー!!やっぱ負けてらんねーわ!』
『はぁ?』
部活中に俺の隣りで叫び、大きく背伸びしたりょー。
するとドラムで使うスティックも指でくるっと回した。
この教室には俺達のバンドメンバーしかいない。
『俺、愛菜ちゃんがすげー好き!』
『お、おぅ……』
そんなどストレートに言われても困る。
なんか、ライバル宣言みたいじゃんかよ。
でも、ストレートに自分が言いたい事を言ったりょーは、誰よりも輝いて見えた。
笑った時の笑顔がいままでと違って見えた。
羨ましい…―
『だから俺、愛菜ちゃんにお前より俺の方がかっこいいんだぜ!って気づかせてやる!』
俺の顔の前でピースサインをしたりょー。
ほんと、りょーはすっげーいいやつ!
バカだけど、やる時はやってくれる。
ドラム叩いてるこいつは一番後ろにいるのに、一番目立ってるって感じ。
『頑張れよ!』