2つの約束
「やっぱりだめだったか〜」
白井さんは僕からぱっと離れて
涙の溜まった顔でニコッと笑った。
「成瀬くんの好きな人って古宮美紘ちゃんでしょう?
さっき教室を尋ねたら
みんなが古宮さんの話で盛り上がってたもん。
すごく綺麗な子だね、あれは好きになっちゃうよね!」
白井さんが無理をしてるのがわかる。
胸が痛かった。
「成瀬くん、古宮さんが好きでもいいよ。」
「は?」
「古宮さんは彼氏がいるじゃん。
叶わない恋なんでしょう?
だったら、古宮さんのこと好きでもいいから、私と付き合ってほしい。」
白井さんはまた僕に抱きついてきた。
傷心の僕は、最低な選択をした。