椿の氷
「朱崎!?」

「部長や副部長の出る幕じゃねぇぞ!」

彼等が此処に来たのは、先輩達も意外らしい
寧ろ、来るわけないと思っていたのかな

彼らは、三年生すら口答え出来ない強さがある
ただ、強いだけではない
周りを黙らせる、破格の強さ
勝者に相応しい威厳
上に立つ素質、資格
天賦とも言えよう才能


四神の名に恥じぬ、秀才の中の秀才


「先輩達、申し訳ありません
俺達も、出るつもりはありませんでした
しかし、彼女とはちょっとした顔見知りでして
俺達が実力を調べて、可能なればレギュラーに」




ん?
今何といった?
私は、耳はいい方だ
目は悪いが
聞き間違えでなければ、レギュラーに――――




それ以上、声はでなかった

パツキンのあの人の打球が、何も語らせなかった





「悩んでんじゃねぇ
やろうや、テニス」



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