椿の氷
「なっ!?」


「時川の重たい打球を…!」


「女子が、返した…!」




腕がしびれる
足が震える
息が乱れる
目の前が、汗でかすむ


「ん…?」


流れ落ちた頭に、ふわふわの何かがのった…
さわってわかる
タオル…

「お疲れ
よく頑張ったね」


朱崎さん…
彼は笑い、「いい子いい子」と、私の頭をなでる
あれ、私子供?





「でも、これで決定だァね」

「…馬鹿でも、実力にのびしろ
素質はあるらしいっすよ、先輩方」





ああ、私馬鹿だ
あんな打球、どんな理由でも返さなければ良かった
だって、うまく踊らされた挙げ句のせられたもの



「彼女を、正レギュラーにいれます」





とっぽいイケメン集団が恨めしい


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