椿の氷

思っていたら、誰かにぶつかった
いちゃもんつけようと開いた口を、閉じた



「何だ、あなたでしたか」




頭に浮かべていた奴は、目の前にいた



のびた髪を束ね
鋭さの増した目つき
黒眼鏡は、デザインが変わっていた




「ぶつかっといて、何だとは何だ糞女」





素直になれない、俺の性格

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