椿の氷
―――次の日




「華亜羅、話がある」

「…何だい、龍牙?
随分おっかない顔をしているじゃないか」

「退部申請だ」



退部申請
その単語を聴き華亜羅は表情を変えた
健やかだった微笑は消え去り、無を極めたオーラ
手元にあった学年便りには皺が寄った
称すなら、鬼神の如し

「怖いぜ、華亜羅」

部室の椅子に腰掛け、ガットをチェックする時川が肩を竦め言った
確かに、怖いな
此処にいるのが、四神だけでよかったぜ
ただの中学生じゃ、立っていられないぜ
膝が竦み、足元から崩れ落ちる
酷い場合は、気絶するよな


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