椿の氷
共同庭球部は、様々な人間がいる
時には、ならず者みたいな輩もいる
テニスを愛する華亜羅は、それが許せなかった

そして、作り出されたのが退部申請

疑わしき者を見掛けた場合、退部申請をすることによって
レギュラー総出の大仕事
申請された輩を徹底的に調べる
そして、判断を下す

レギュラーからの退部申請は、今回が初だぜ


「…それで、誰だい?」

「三年のレギュラー三名
二年の準レギュ四名だ」

「それだけじゃ分からないよ」


嘘を吐くもんだな、ウチの部長は
今言った七名は、申請無しでも目を付けていた
華亜羅も馬鹿じゃない
言いたいことは分かっているだろう

「カァラ、目が怖いィよ」

「蛇太、黙るんだ
ついでに、部室で蛇の世話をするんじゃない」

「だって教室だと怒られるんだもん
トッキーの文鳥は可愛がられているのに!」

「ヘビタのと違って、愛想があるんだよ
俺のヒミは」


ぴょこりと、時川の髪から顔を覗かせる文鳥
ヒミって何だ
お前日本史好きか?



「…考えよう」



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