椿の氷
闇之チャンに言われるがまま
手を洗ってから戻ってきた

すると、驚いた話

闇之チャンが頭を抱えていた
龍牙や華亜羅に聞いた限りだけれど
闇之チャンは頭はいいらしい
正に才色兼備の闇之チャンが、頭を抱えている
写メもんの衝撃が走った

でも、同時に流れる感情

伏せられ、影をつくり出す睫
八の字を描く柳眉
黒いシンプル眼鏡から覗く、底深い蒼天
細い顎には、小さな暑さで汗が一筋

知れた喜び
歓喜のカンタービレが流れる

華奢な肩に、手をかけた


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