椿の氷

歪な欲求

【時川 鶯視点】



「オイコラ、糞女」

「豹那ぁ!」



龍牙とヘビタが、珍しく遅刻しなかった
華亜羅共々不思議に思っていたが
その理由が早いほどすぐにわかった
二人は、ものの数日で、彼女に懐いたようだ
言ったら怒られるけど
懐いている以外に適切な表現はない
まぁ、彼女の反応は


「煩いです、阿呆馬鹿コンビ」


超毒舌だった
変わらないさ、あの子は
ただ、よく働くいい子だなって思う

「彼女も大変だな、妙な瘤がついて」

「人のことを言えるのかい?
時川も、知らずと豹那ちゃんを目で追っていよう」



華亜羅の含み笑いを見て見ぬ振りして
ストロング クロス練習をしている一年に歩み寄った



「…乾いたな、喉」


< 41 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop