椿の氷
「時に、無性に喉が渇いてしまう
血でなければ、潤せない渇きだ
医者も気味悪がり、匙を投げた」

「体質…」

「知っているのは、四神だけ
今までは、自分の血を飲んで誤魔化してきた
でも、目の前に人がいると駄目なんだ」


家族すら気味悪がり、俺をこの神奈川に送った
俺の本当の出身は奈良県
でも、家族は安いアパートを与えて言った



『最低限、家に帰るな』



「…信じれる奴にすら、話せなかった
入ったばかりの君に
なぜ話したか

君を信頼に値するとみたから」



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