椿の氷
御剣さんの力強い腕に、何cmも小さい私がかなうわけもなく
引きずら回された挙げ句
共同庭球のブースに連れてこられてしまった
向けられるのは、好奇の視線
この人、案外有名なのかもしれない



「ふ、副部長!
部長キレてますよ!」

「げっ…
まじか…」


…副部長?
私、一年
この人、二年


え、御剣さんいつから偉くなったんですか?


「…オイ、眼鏡女
ボケボケして…」



「わっ!?」


言葉を紡いだと思えば、手を離す御剣さん
私の頭は地面に急降下

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