そんなアナタが好きです。
告げられた想い
入学して二ヶ月たったある日のこと。
私が日直で職員室に行くとちょうど先生が先輩と話ししているところだった。
「彼方おめぇもうちょい成績あげろ。今のままじゃ留年だぞ?」
「やるときはやる子なんで心配しないでください」
「そうじゃねぇだろ!今のうちから成績とっとかねぇと就職もできねぇぞ!」
先生が少し声を荒らげると先輩は迷惑そうに顔を歪めながら言い返す。
「別に夢とかないですからどんな職業でもいいんで成績とか関係ないです」
それを聞いた先生は一瞬悲しげに顔をしかめてすぐに戻したのを私は見逃さなかった。
「それでもこの成績じゃまずいだろーが!」
「うるさいですねぇ。べつにぎりぎり赤点とってないんですからいいじゃないですか!
そもそも姉さんが嫁だからか何だか知りませんけど僕にしつこいんですよ!」
沖乃先輩はそういってくるっと振り返り一瞬私をチラ見してドアから出ていった。
残された先生は困ったように私に書類を渡して机に集中し始めた。
そんな姿に何も言えず職員室を出て階段のところに行くと…
「さっきの聞いてたでしょ」
そう言って私に近づいてきた沖乃先輩。