そんなアナタが好きです。
「まさかそんなに怒るとは思わなかったから…
確かにちょっとダメだったね…ごめん」
そう素直に謝る先輩を始めてみた。
そしてなんでかすごく抱きしめたいって思った
だめだめ…相手はあの伝説のたらしなのよ?
そんな人の事なんて気にしたら負けなんだから
私は自分にそう言い聞かせて口を開いた。
そのとき
ザーーーーーーーーー
突然滝のように雨が降り出したっ
私も先輩も慌てて生徒玄関に入る。
「こりゃ止みそうにないねぇ…」
「止んでくれると信じます」
そして私はとりあえず遥緋に連絡する。
『もしもし遥緋?今どこ?』
『今?家だけど』
『えっ、もう帰っちゃってるの?
雨降ってきたんだけど傘持ってなくて…』
私はてっきり遥緋はまだ委員会でいると思ってたので焦ってしまう。
『はぁ、なにやってんだよ…
涼助は?あいつは傘持ってないの?』
涼助くん?傘持ってたかな?
悩んでいると先輩が教えてくれる。
「涼助も傘持ってなかったよ
多分樹くんに送ってもらうんだと思う」
「ありがとうございます」
その声を聞いて遥緋が声のトーンを低くした。
『なに?もしかして沖乃と一緒にいるの?』
『あ、うん』
『っ、濡れてでもいいから取り敢えずこっちの駅までこい。
電車なんだからそんなに濡れないだろ』
『えっ?』
『家のとこの駅で待ってるから。
涼助と会ったら涼助とこいわかったな?』
『あ、わ、わかった』
早口にそう言って切った遥緋の指示通りしようとすると先輩に止められた。