そんなアナタが好きです。
私が美術室に入ると人の気配がした。
この時間ここにいるのはいないと思ってたから必要以上に警戒してしまう。
音がした方に歩いて行くと…
「っ!」
物陰に隠れたままの体制で少し焦った様子の
高梨先輩がいた。
先輩は沖乃先輩となかいいはず…
すこし警戒していると先輩は心を読んだように話してきた。
「彼方の頼みでここに来たわけではないから安心しろ。
そして俺はここでお前が来るのを待っていて先生が来たかと思って隠れただけだ。」
「あ、はい…」
ご丁寧になんでここにいるかも教えてくださった先輩は立ち上がり私をまっすぐ見て断言した
「彼方はお前のことが本当に好きだ」
「え?」
戸惑う私なんて無視して高梨先輩は話し出す。
「俺はあいつの腐れ縁と言うやつでずっと一緒にいる。そしてあいつの恋愛についてもだ」
「…?」
「あいつはたらしと呼ばれるようになってからは本気で恋などせず、ただ遊んでいるだけだった。そして遊びの相手は一回きり、二回目など絶対しなかった」
そこまではきいたことあるなぁとか思いつつ聞く
「そんなあいつがお前にはしつこく付きまとい、女遊びも今まで程しなくなった
そして何より本気だと思うのが…」
そこで高梨先輩ひと呼吸おく。
「『女遊びを辞めたいから女の子の処理を樹くんにお願いしたい』そう言って来たことだ。
つまりあいつは本気でお前が好きで、本気で女遊びを辞めようとしている」
「そんな…」
私は信じられない思いでいっぱいだ…