いつでも一番星
★プロローグ
「一番星、見ーつけたっ!」
細い指先で、夕暮れの空に見つけた輝きを指差す。
それを見て、きみが笑っている。
それからわたしよりも長い指先で、同じように星を捕らえる。
オレンジと濃紺で織り成す、淡いグラデーションの空。
優しい色の空の下で、そこに一番に現れた星を見上げた。
隣ではきみが、わたしと同じように手を伸ばしていて。
そっと、笑ってくれている。
……ナツくん。
きみが、好きです。
その笑顔の輝きは、誰のものにも、どんな星にも。
きっと、敵わないよ。
いつでも、きみだけ。
きみの存在だけが、わたしの中心で輝いている。
だから、たとえきみ自身が、一番になったと思えなくても。周りに認められなくても。
……それでも、わたしの一番は、きみなんだよ。
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