いつでも一番星
恋心
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ナツくんの心に近づくためには、どうすればいいのだろう……。
ナツくんへの想いは募る一方なのに、近づくための具体的な方法はいまいち浮かばないまま。
その結果、未だに目立った行動には踏み出せずにいる。
そしてそんなわたしを置き去りにするように、季節の時計は着実に針を進めていき……。
いつしか、底冷えの日々が続く2月が訪れていた。
「もういっそのこと、告白しちゃえば?」
お昼休みにお弁当を食べ終えたあと。
机越しの目の前に座っている茉理ちゃんが、さらりとそう言った。
あまりにも軽い口調で言うものだから内容の重大さに一瞬気づかなくて、数秒遅れてから目を丸くする。
「えっ、ここっ、告白!? 誰が誰に……
!」
「ははっ、雫ってばテンパりすぎ。誰が誰にって、そりゃあもちろん……雫がナツに、でしょ!」
楽しんでいるような顔でわたしを見る茉理ちゃんのテンションについていけずに目を見張る。
冷静さは失われていくばかりだった。
「なっ、なんでいきなりそんな話に……っ!」
焦りで上擦っている自分の声がつい大きくなっていることに気づき、慌てて口を手で塞ぐ。
それから、ちらりと教室内に目を通す。
幸いなことに、今一番この話を聞かれたくない彼の姿は、目が届く範囲にはいないようだ。
それにひとまず安心して茉理ちゃんと向き合えば、一連のわたしの動きで察してくれたらしく、茉理ちゃんは声のボリュームを落としてくれた。