いつでも一番星
「茉理ちゃんは、不本意だったかもしれないけど……。わたしは、茉理ちゃんの気持ちを知ることができてよかったって思うよ。だって気持ちを知ってたら、これからは相談にだって乗れるんだもん」
片思いって、どうしても気持ちをひとりで抱え込んでしまうときがあるけれど。
ときどきはね、周りの人を頼ってもいいと思うんだ。
友達ならきっと、悩んだり落ち込んだりしているときに、優しく気持ちに寄り添ってくれる。サポートだってしてくれるから。
茉理ちゃんが、わたしにそうしてくれたように。
距離が近い幼なじみの彼に気持ちがばれたくない、そんな茉理ちゃんの気持ちももちろんわかる。
でも溜め込んでばかりいるといつかパンクしちゃって、恋がいつしか苦しいだけのものになってしまうかもしれない。
だから……。
「これからは、心の中がいっぱいいっぱいで苦しくなって、ひとりで抱えることがつらくなったら、そのときは遠慮なく相談してね。茉理ちゃんさえ嫌じゃなかったら、わたしはいくらでも話を聞くから。つたないかもしれないけど、精一杯アドバイスだってするよ!」
わたしに役に立てることがあるなら、何だってするよ。
そんな力強い思いを表すように笑えば、茉理ちゃんもゆっくりと目を細めて微笑みを返してくれた。
「……ありがとう、雫。そう言ってもらえただけでも十分嬉しいし、なんだか……心が軽くなった気がするよ。あたしの方こそ、気持ちを知ってもらえてよかった」
穏やかな声で話す茉理ちゃんの表情は、曇り空から顔を出した晴れ間のように清々しくて。
日だまりにいるみたいに明るく、穏やかな笑顔を浮かべていた。