いつでも一番星
視線の先
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わたしが所属している家庭部の活動は、極めて個人まかせの自由なものだ。
活動日も活動時間も、基本的には決まっていない。
平日は大体の人が、手芸や裁縫で各自好きなものを作っている。雑貨から洋服まで、実に様々だ。
月に1回ほど、土日のどちらかに調理実習なんかもしたりしている。
そんな調理日や、その計画を立てる日。
それからたまに活動報告などをする不定期の会議の日。
そういう日はさすがに部員全員が集まるし、日時も決まっているけれど。
普段は本当に気楽に活動しているから、わたしは結構部活の時間が好き。
……まあ、好きな理由は、単に活動内容だけではない気もするけどね。
そんなことを考えながら、窓の外を見つめていたときだった。
「――雫ちゃんってば、またあの人のこと見てる」
「ひゃあっ!!」
耳のすぐ後ろで囁かれて、驚きのあまり甲高い声を出して飛び退いた。
そりゃあもう、家庭部の活動に来ていた部員全員の注目を集めるほどの、派手な勢いで。
「あ、あはは……。すみませーん」
何事だ、と言いたげにわたしを見ている部員を見回しながら、ぺこりと数回頭を下げる。
そしてみんなが自分の作業に戻ったところで、倒れてしまった椅子を直してきちんと座り直した。
それからちゃっかりとわたしの隣の椅子に座っているおさげ髪の彼女に、恨めしい気持ちで目を向ける。
一連の様子を見ておかしそうに小さく笑みを浮かべているのは、同じ家庭部部員のサトちゃんだ。
クラスは違うのだけれど、同じ部活に所属しているので仲は良い。
……良いからこそ、さっきみたいにからかってはくるのだけど。