いつでも一番星


「野球部の人たちも、茉理ちゃんと同じように思ってるような気がするよ。だって、以前よりは着実に強くなってるんだもん。どんどん上を目指そうって頑張ってるのは、きっと同じように一番になろうっていう強い気持ちがあるからだと思う。もちろん、マネージャーの茉理ちゃんと一緒にっていう意味で」


この春。
冬の体力強化の時期を超えてさらにパワーアップするべく、日々猛練習に取り組んできた野球部。

その頑張りはマネージャーとして一緒に頑張っている茉理ちゃんから、度々話に聞いていた。

それを聞くだけで、部員もマネージャーも同じ気持ちで目指すべき場所へと駆け出しているということは十分に伝わってきていたんだ。

そしてその成果は、少しずつ試合結果となってわたしの耳にも届いている。


春季高等学校野球大会。
その県大会が今月から始まる。そしてその出場権をかけた地区予選は、先月までに済まされていた。

なんと南田高校はすべての試合をコールドゲームで勝利し、南地区の予選を第一代表として通過している。

地区予選とはいえ、確実に南田高校が実力をつけていて、なおかつ試合でそれが発揮できるようになってきていることは明らかだった。

ただ……あの北野総合学園とは予選の地区が別で、しかも秋季大会のときに負けた学校も他の地区なわけで。
それらの学校と試合をしたときに、南田高校がどんな活躍をするのかってことはまだ未知の領域ということ。

昨年よりは、強くなっていると思う。でもそうやってナツくんたちが力をつけるのと同時に、他校の選手たちも日々強さを増している。


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