いつでも一番星


「頑張ってね。勝てるように応援してる!」


短い応援の言葉。こんなものでしか気持ちを伝えられないのがもどかしい。それでもそこに、精一杯の気持ちをありったけこめた。

ナツくん、横峰くん、茉理ちゃん。
みんなが一番になって輝くような笑顔を見せてくれるような瞬間をわたしも夢見ていて、そしてそれが現実になることを信じている。

……そんな、わたしの胸の中に確かにある気持ちが、すべて伝わるように。


「ありがとー! 頑張るね! ナツたちにも言っておく……っていうか、直接本人にも言えばいいのに」

「え、な、ナツくんに……?」

「そうだよー。試合の応援とかされたら、喜ぶんじゃないかなぁ」


にやにやと何かよからぬことを考えていそうな顔の茉理ちゃんに、もはや嫌な予感しかしなかった。そしてそれが当たりだというように、驚くことを提案される。


「そうだ! 試合、観に来ればいいじゃん! 雫、まだ試合観に来たことないって言ってたよね? ちょうどいいじゃん。せっかくだし、生で応援しにおいでよ」


名案だと言うような勢いで瞳を生き生きと輝かせる茉理ちゃんに迫られて、後方に身じろぎした。

そしてぱちぱちと瞬きをする。


「生で試合観戦か……」


ナツくんたち南田高校野球部の試合は、夏の県大会ならいくつか観たことがある。でもそれは、地元のテレビ局による中継やハイライトでのみ。

茉理ちゃんが言うとおり、球場に出向いて試合を観たことはまだ一度もなかった。


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