いつでも一番星
わたしにとってナツくんは、誰よりも輝いている人。まるで、一番星みたいに惹きつけられる人。
でもあの星のようにとても遠い存在で、伸ばした手なんて今のままでは到底触れることもない。
だからこそ。
「――頑張ろう」
自分を鼓舞するように、決意を声に出してみた。
最後の高校生活。ナツくんと一緒に過ごせる時間だって、もう残り少なっている。
そばにいたいと思いながら足踏みしている余裕なんて、もうない。今の友達という生温い関係をずるずると続けて満足していたって、結局は何ひとつ望むものは形にならない。
だからこそ、この残された時間を悔いのないように過ごせるようにと。
祈るだけでなく、自らあの輝きに近づいていこうって、自分の気持ちを確かめるように一番星の煌めきを瞳に映した。
胸に宿った期待の思いの灯火を絶やさないように、瞳に焼きついているナツくんの笑顔を思い浮かべながら。