いつでも一番星
ナツくんと、クラス離れちゃった……。
しかも、茉理ちゃんまで……。
よくよくクラス名簿を確認した結果、ナツくんと茉理ちゃんが6組。
そしてわたしと横峰くんが1組ということになっていた。
ありがたいことに家庭部で仲良くしているサトちゃんや他の友達とは同じ1組みたいで、そこは嬉しい。
でもどうせなら、茉理ちゃんやナツくんとも同じクラスがよかったな……。
高校生活最後のクラスだし、好きな人や仲の良い人たちみんなと同じクラスでありたい。そんな思いがあったけど、どうやら現実は厳しいらしい。
「おっはよー、雫。もうクラス確認した?」
クラス替えの結果は思いの外ダメージが大きく、ショックを隠しきれずにうなだれながら人の塊から抜け出すと、朝練終わりの野球部のメンバーに出くわした。
茉理ちゃんが今日も晴れやかな笑顔をまとって明るく挨拶してくれるけれど、わたしのテンションはただいま下降中。
わたしを見つけて小走りで駆け寄ってきた茉理ちゃんの背後に、ゆったりとした足取りで横峰くんとともこちらに向かっているナツくんの姿を認識しても、嬉しい気持ちよりも切ない気持ちになるぐらいだった。
でもいつまでもあからさまに落ち込んでいるわけにもいかないから、ほんの少しだけ笑顔を作って見せる。
「おはよう、茉理ちゃん。クラスならもう見たよ」
「あっ、結果は言わないでね。今見てくるから!」
わたしは別にクラス替えの結果を言うつもりはなかったのだけれど、茉理ちゃんは口止めするや否や、そわそわした様子でさっきまでわたしが埋もれていた場所に突っ込んでいった。
よっぽど早く、新しいクラスを確認したかったらしい。