いつでも一番星
エール
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雲ひとつない、からりと晴れた日だった。
日差しはまだ、春の穏やかな光。時折吹き抜ける爽やかな風が、球場の熱気をさらっていく。
4月中旬の日曜日。
春季高等学校野球大会、県大会。
市内の球場で行われた2回戦の第1試合が、シード権を得ていた南田高校の初戦となった。
わたしはサトちゃんを誘って、予定通り試合観戦に来ていた。南田高校のベンチがある3塁側の観客席に座っている。
運動部の大会の応援に一度も訪れたことがなかったからどれぐらいの人が来ているのかも想像できなかったけど、実際はそこそこ観客席が埋まる程度の人がいた。
学ランに白く長いはちまき姿の応援団と、ベンチ入りが叶わなかった野球部員。
固まっているその人たちの姿が一番目立っているけど、その他の人はみんなわたしたちみたいに個別に応援に来ている様子だった。
女子も男子も半々ほど。生徒らしき若年層と、保護者らしき中年層が目につく。OBOGや近所の野球好きの人もいるのかもしれない。
先生の姿もあった。いろんな人たちが、それぞれ応援の気持ちを抱いて観に来ている。
甲子園や夏の県大会のテレビ中継で見かけるような吹奏楽部の応援は今日はないようだけど、応援団がいるから観客席は十分盛り上がっていた。
大太鼓の音に合わせて、手拍子や掛け声でエールを送る。それらの動きは、周りの人を見て真似していた。
――カキン……!
あ、飛んだなって、そこまで野球に詳しくないわたしでも直感的に感じるような音が、耳をすり抜けた。
3塁側のわたしたちの観客席を中心に、どわっと歓声が一瞬にして広がる。