いつでも一番星
「……わたしが、聞くの? 横峰くんが、なにか話したいことがあったんじゃないの?」
気になっていることは山ほどある。でも横峰くんの方から話そうと持ち出してきたのだから、わたしが質問するより先に彼の話を聞くべきだと思った。
それなのに当の本人は、軽く笑って言う。
「俺が話そうと思ったことは、平岡ちゃんが聞きたいと思ってるようなこととほぼ同じだと思うんだよね。だから、平岡ちゃんが聞きたいこと好きなように聞いてよ。その方が的確だろうし、俺が答えられることなら全部教えるからさ」
「そう……」
それなら、お言葉に甘えて質問させてもらおうかな。
いつもより酸っぱい、それでも大好きな味であることには変わらないオレンジジュースで喉を潤すと、横峰くんと向き合った。
「……横峰くんはいつから、わたしがナツくんを好きなことに気づいてたの?」
「高2の秋頃だったかなー。ナツと平岡ちゃんが仲良くなり始めてから結構すぐには、なんとなくそうだろうなって思ってた」
「そっ、そんなに早くから?」
ナツくんと友達になったのも、自分が憧れではなく恋心をナツくんに抱いていると自覚したのも、去年の秋のほぼ同時期だった。
横峰くんが気づいたのも、その頃。もうずいぶん長い間、片思いしていることを知られていたことになる。改めて、恥ずかしさが熱となって全身を火照らせた。
そこへ追い討ちをかけられる。