いつでも一番星
「いつもナツのこと熱心に見つめてたら、さすがに気づくって。俺や茉理も含めて4人で一緒にいるときでも、一番ナツのことを目で追いかけてたし。それに加えてナツに話しかけられたときの緊張した感じとか、めちゃくちゃ嬉しそうに笑ってる顔とかたびたび見てたら、自然とわかっちまうもんだよ」
「うう、そんなにわかりやすい態度してたんだ……」
人から聞かされる自分の姿に、羞恥しか湧いてこない。
穴があったら入りたい思いで俯いた。
一応、気をつけてたつもりなんだけどなぁ。
ナツくん本人や横峰くんみたいな周りの友達に気持ちを悟られないように、ナツくんに視線を向けるときはできるだけこっそり見つめているつもりだった。
それに緊張してナツくんと上手く話せないときでも、頑張って平然を装っていたのに……。
ナツくんの近くにいる横峰くんにばれていたなら、それらはほぼ効果がなかったみたいだ。
「……わたし、そんなにわかりやすかった?」
「まあ、俺が見た限りではね。ナツと一緒にいることが多いぶん、今までナツに好意寄せてる子たちはいろいろ見てきたし、最近は雰囲気でなんとなくわかるから」
何気なく言われたことに、目敏く胸がちくりと痛みを感じた。
……そうだよね。ナツくんは人気があるのだから、今までいろんな女の子たちに好かれていたはず。
いつしか友達である横峰くんの目が肥えるほどそういう子たちがナツくんの周りにいたのだと思うと、もやもやとしたものが自分の中に溜まっていくのを感じた。
しかもその状態は現在進行形なんだろうなと思うと、余計ため息をつきたくなる。