いつでも一番星
芽生え
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≪本日の日直≫
黒板の右側の、日付の下。
今朝登校したときにそこに書かれている“森山”と“平岡”の名前を見て、嬉しいような緊張するような複雑な気持ちになった。
……そっか、今日だったっけ。
わたしとナツくんが日直担当の日。
2組では、席順でふたりずつ日直を担当することになっている。前後のペアだ。
その加減でわたしは前の席のナツくんと同じ日に日直の仕事に当たるわけなんだけど、その順番が今日だということをすっかり忘れていた。
日直の仕事といえば、授業後に黒板を消したり、放課後に日誌を書くことぐらい。
そんなありきたりなことなんだけど、ナツくんと1日共同作業をすることには変わりない。
些細なことでも自然とナツくんとの会話が増えそうだなぁって考えると、やっぱりちょっと複雑な気持ちになった。
ナツくんと一緒に仕事ができるのは嬉しい。
でも話すことには慣れていないから、絶対緊張しちゃう気がする。
憧れの人に近づくってことは、どうしてこんなにも難しく感じるのかな。
遠くから眺めているだけならとっても簡単で、幸せな気持ちにもなれるのに。
今日の日直最初の仕事は、1時間目の授業が終わったあとに黒板を消すことだった。
白色の文字がたくさん並んでいる黒板。
さっさと消してしまおうと、黒板消しを手にしてさっそく文字の上を乱雑になぞっていく。
視線を横に写すと、ナツくんも黒板の端で仕事をしていた。