いつでも一番星
……なんだ、そっか。
無理していいところを見せる必要なんてないんだね。
張り切って作り上げた自分じゃなくて、そのままのわたしでいたらいいんだ。
ナツくんの目に映るわたしは、どんなふうに見えているのかな。
もしかすると、どじな人って思われてるかもしれない。
恥ずかしい気持ちは残るけど、それはそれでいいよね。
だって……それがわたしだもん。
どじなわたしでなくちゃ、知ることができなかったナツくんの一面がある。
その一面を知ることができたのは、わたしがわたしでいたから。
それってとても、貴重なことなのかもしれないね。
そう思うと、今の自分をナツくんに見せることも悪くない気がした。
「茉理ちゃん、ありがとう! おかげですっきりしたよ! わたし、そのままの自分をナツくんに見てもらえるように頑張るね」
「そっかそっか、それはよかった。……って、えっ? それはつまり、ナツに好きになってもらいたいってこと?」
「いや、それとこれとは話が別で……」
「なーんだ! そういうことなら早く言ってよー! それならいっそう、アピール頑張らなくちゃね!」
わたしの話も聞かないまま、茉理ちゃんはひとりで早くも盛り上がっている。
うわ、また変な勘違いしちゃったよ……。
余計なこと言わなきゃよかった。
おまけにそのままでいいのにアピール頑張るって、なんか矛盾したことになっちゃってるし。