いつでも一番星
ナツくんのことを好きになったら協力すると言ってくれていただけあって、頷きながら真剣に話を聞いてくれていた。
それだけでもう、心はだいぶ軽くなる。
突然自覚して、あっという間に大きくなった恋心。
その重さに耐えかねて戸惑っていたわたしには、茉理ちゃんに話すことが効果的だったらしい。
話を終えて、軽くなった気持ち。
ちょっとした清々しさを感じながら茉理ちゃんと向き合えば、なぜか嬉しそうに笑っていた。
「なんだ、よかったじゃん! ナツのこと好きだって気づいて」
「うん。自分の気持ちに気づいたのはよかったと思う。……でも、緊張してまともに顔も見られないんだよ? 一体、どうすればいいのかな……」
「そんな緊張なら、そのうち慣れてくから大丈夫に決まってるよ。ていうかさ、今さら顔見るぐらいでなに緊張してるの? 今まで散々ナツのこと眺めてきたんだから、普通に今まで通りのつもりで見たらいいじゃない」
「そりゃあ、そうかもしれないけど……。やっぱり、憧れのときに見てるのとはちょっと意味が違うんだもん。前よりもずっと、緊張しちゃうよ」
視線を斜め下に落とすと、茉理ちゃんが困ったように息を吐いていた。
……わかってるよ。
特別に意識なんかしないで、今まで通りナツくんを眺めていればいいことぐらい。
だけど、そう考えていてもやっぱり緊張しちゃうんだ。
ナツくんのことが好きだと意識すればするほど、余計に……。
緊張しないで済むような方法がすぐに見つかるわけもなくて。
わたしは結局、不安を抱えたまま教室に行く羽目になった。