いつでも一番星
いつもの朝とは違う予想外な展開に、ちょっとパニックになった。
最高値を超えてもなお高まり続ける緊張のせいで、頭が全然働いてくれない。
今まで挨拶を交わすような仲じゃなかったはずなのに、どうして急に……。
「あっれー。珍しい光景だな、ナツが平岡さんと親しくしてるなんて」
わたしとナツくんのワンシーンを見て不思議そうにそう言ったのは、さっきまでナツくんと話していた横峰くんだ。
その声にはっとして、視線をナツくんから逸らす。
茉理ちゃんが驚いたような顔でわたしたちを見ていた。
どうやら茉理ちゃんにとってもこの光景は、意外なものだったらしい。
「……あっ! もしかしてふたりって、付き合ってんの!?」
「……!?」
わたしとナツくんの顔を交互に見たあと、ひらめいた様子でそんなことを言った横峰くん。
思いがけない発言に、あからさまに動揺してしまった。
瞳が揺らいで、顔に熱が集まってくる。
別に本当に付き合っているわけじゃないのに、これじゃあまるで図星みたいだよ……。
態度からナツくんへの想いが滲み出てしまいそうでひやひやした。
だけどナツくんの方は、特に何も変わった様子もない。
むしろ横峰くんの言葉にきょとんとしていた。
「違うよ、付き合ってないから。……でも、平岡さんと友達になったんだ」
「……えっ?」
横峰くんに説明するナツくんに、間抜けな疑問の声が出た。
えっ、ちょっと待って……。
わたし、いつからナツくんとそんな親しい関係になったんだっけ?
しかも言葉の感じからすると、最近のことみたいだけど……。