いつでも一番星
だって、お揃いだと思ってもらえるぐらい、ナツくんの中にわたしの存在があるってことだから。
まったく興味がない存在じゃないだけで、すごく嬉しい。
……これって、友達として認めてくれているおかげなのかな。
茉理ちゃんはわたしとナツくんのやりとりを聞いて笑顔になると、パンッと手を叩いてその場を仕切った。
「じゃあ、さっそくわかれて始めよっか! 今日は唯斗よりヒット打つから覚悟しなさいよー!」
「はっ、俺に勝つなんて百年はえーよ! 今日も俺のほうが打つからな!」
横峰くんと茉理ちゃんは腕まくりをしてやる気のあふれた顔になると、競いあうように右打席のゲージに向かっていった。
ああいうこなれたやりとりを見ていると、やっぱり幼なじみなんだなぁって実感する。
よくいがみ合っているけど、ふたりはとても仲良しだ。
「俺たちも始めようか」
「うん!」
微笑ましいふたりを見たあと、わたしたちも隣の左打席のゲージに向かう。
その直後、すぐそばでカキーンという軽快な音が響いた。
隣を見ると、すでにヘルメットをかぶった茉理ちゃんがバットを構えて立っている。
もしかして、さっきの音は茉理ちゃんが早くも打った音?
その疑問は、茉理ちゃんのもとに飛んできたボールによって解消される。
茉理ちゃんは軽々とバットにそのボールを当てて、前方に打ってみせた。
カキーン!!
さっきと同じ金属音が耳に届いた。
「わあ! 茉理ちゃんすごーい!」
「ふふっ、なかなかの腕前でしょー」
ゲージの外から感嘆の声をあげると、茉理ちゃんは嬉しそうに、そして得意気に笑う。