いつでも一番星
またうっかりナツくんばかりを見ていたことに反省しながら、紙コップのジュースを飲み干した。
そして空になったコップをごみ箱に捨てようと立ち上がったところで、ふとひとつの案内ポスターに目が留まる。
「へえ、ここってストラックアウトもあるんだ! さっきはゲームコーナーもあったし、バッティングセンターっていろいろ遊べるんだね」
わたしが目にしたのは、ストラックアウトの場所を案内するポスターだった。
てっきりバッティングセンターっていうのはバッティングのためだけの施設だと思っていたけど、どうやら少し違ったみたい。
休憩コーナーに来るまでにゲームコーナーも見かけたし、どうやらバッティング以外にも遊べる施設があるみたいだ。
「うん、そうだよ。バッセンって、結構遊ぶ場所としては充実してるんだよね。ここはまだ、バッセンとしては小さい方じゃないかな。確か隣の市にある同じ系列のバッセンは、もう少し大きくなかったっけ?」
説明をしてくれていた茉理ちゃんが、記憶を辿るように横峰くんを見る。
わたしとは入れ違いに立った横峰くんは頷いて答えた。
「そうそう、あそこは県内では一番大きかったはず。テニスとかゴルフとか、あと卓球にバスケのコーナーもあったから」
「フットサルもあったよな、確か」
横峰くんの説明に付け足したナツくんも、続いて紙コップを捨てに立つ。
みんなの口から出てくる説明に、わたしは頷きながら耳を傾けていた。