梅酒で乾杯
「ん……」
「いい?」
「……うん」
彼の唇に酔わされて、そのままベッドであたしたちは時を刻む。
彼に触れているのは気持ちがいい。
なじむと言えばいいのかも知れない。
最初のキスからとても気持ちよかった。
もっと欲しいって気持ちと、あたしの体なんて見せられないって葛藤とで、付き合ってから彼に許せるまでに半年かかった。
でも一度そうなってからは、彼に触れられることはあたしの幸せそのものだった。
一時、鬱期間はそういう事もなくなったけど、一人暮らしを始めてからは当たり前の事になりつつある。
触れていると落ち着くし、安心する。
よくタッチセラピーとか言って動物を触ったりするけど、それに近いものがあるのかも。
「シャワーあびてくるねー」
コトが終わり、あたしはもう一度亘にキスをして、汗だくの体を流しに浴室へ向かった。
亘は頷いて、あたしの代わりにテレビに相手を頼む。
「亘、シャワー次いいよ。その間に夕食の準備するから」
「おう」
彼が浴室に入ったところで、冷凍食品をレンジにかけた。
もう溶けてしまっていたけれど、なんとかなるだろう。
後はちょっとした野菜でサラダ。
テーブルに並べてると彼が頭を拭きながらやってくる。