移ろいゆく季節の中で、身を置いた環境の中で、人は少しずつ変わっていく。
隣に並んで、手を繋いで、ゆっくり歩いているつもりだった。けれどもいつの間にか、どこかでふたりの距離は遠くなってしまっていた。彼のせいじゃない。あたしのせいでもない。これは仕方のない変化。
梅酒を熟成させるように、ゆっくりとその変化を受け入れて、心の準備をして。
大好きだから、さよならする。ふたりが幸せになれるように。
切なくなって、きゅっと胸が締め付けられて、それでも後味はふんわり優しくて。
ふたりのたくさんのありがとうが込もったお別れの乾杯に、私も幸せな気持ちになりました。
きっときっと、今度は嬉しい乾杯ができるといいな。
後ろを振り向き振り向き遠慮がちに進むのではなく。遠ざかる背中をひたすら追いかけるのではなく。自分の歩幅で、自分の人生を歩んでいけるように。
素敵なお話をありがとうございました。