恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
ーーーちょっと! また、キスでもする気?! そうはいかないんだから!
例のごとく大きく口を開けて見せる私。
「熱、下がったみたいだな」
課長は合わせた額を離すと、優しく微笑んでみせた。
「口、開け過ぎ」
言いながら、クシャと私の髪に手をやる。
「じゃ、入るぞ。山田」
ドアノブに手をかけ一気に開けた課長。
課長の背中にへばりつき、開いた扉を確認した。
ーーー無い。何も無い。……良かった。気のせいだ。熱のせいでどうかしてたんだ。馬鹿みたい。ははっ!
扉が確認出来た私は、課長の背中から手を離した。
「山田、時間が無い」
私の体をひょいと抱き上げて、ベッドに下ろす課長。
課長が私の上に覆いかぶさる図。
ーーーはい? なぜ、こんな展開に?
「課長! 冗談よして下さいよ! 何する気ですか!」
力を込めて、近づいてくる課長の肩を押し返す。